飲食店リフォームの注意点 完全ガイド|失敗しない内装工事・費用・スケジュール

「家をフルリフォームしたいけど、どれくらい費用がかかるの?」「住みながらの工事は可能?」「築年数が古くてもできる?」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。
リフォームプラスの本記事では、飲食店リフォームついて丁寧に解説。実際の事例や補助金制度も紹介し、安心してリフォームを進めるためのガイドをお届けします。

飲食店の内装リフォームは、コンセプト・法規・設備・工程・コストの5軸が噛み合った時にだけ成功します。本稿では開業・改装の双方に使える「実務のチェックリスト」と「避けるべき落とし穴」を、プロ目線で一気通貫で解説します。

1. 着工前に決めること(コンセプト/物件の見極め)

  • ペルソナ×価格帯×回転数を1枚に整理(客単価・席数・ピーク時の回転目標)。メニューが決まれば厨房機器と電気・ガス容量が確定します。
  • 物件は「居抜き」か「スケルトン」かで難易度が変わります。
タイプメリット注意点
居抜き初期費用・工期を圧縮。既存のダクト・グリストラップ・分電盤が活用できる場合が多い。設備寿命・隠れた瑕疵。臭気/油煙/配管勾配は現調必須。レイアウト自由度は低い。
スケルトン理想レイアウト・最新設備を実現。将来増席・増設に強い。工費と工期が増える。ダクト経路・グリス槽の新設は承認と共用部工事の調整が必要。

2. 業者選びのコツ(設計会社 vs 設計施工一括)

  • デザイン設計会社+施工会社:デザイン自由度とチェック体制に強い。相見積もりが取りやすい。工期はやや長め。
  • 設計施工一括(デザインビルド):意思決定が早く、工程短縮に有利。担当の施工力と透明性を要チェック。
  • 厨房設備会社のPM活用:厨房中心の案件で有効。内装との取り合いを主担当が潰せるか確認。

選定チェック項目:飲食実績/法規理解(内装制限・換気・防火)/ダクトとグリスの納まり図/数量根拠が出る見積/引渡し後の是正と保証。

3. 必須の法令・申請チェックリスト

自治体で要件が異なるため、着工前に所管(保健所・消防・建築指導課・ビル管理)と事前協議を。

  • 保健所:飲食店営業許可/手洗器の設置数・シンク数(2槽以上が原則)/床・壁の防水・不浸透仕上げ/動線分離(食材・洗浄物)。
  • 消防:内装制限(不燃・準不燃)/避難経路・誘導灯/消火器・感知器・ガス漏れ警報器/防火対象物使用開始届など。
  • 建築・設備:換気量(排気・給気のバランス)/排気ダクトの防火区画貫通処理/グリストラップ容量と清掃方法/騒音・臭気対策。
  • 電気・ガス・水道:契約容量(主幹ブレーカーサイズ)/ガスメーター容量(厨房負荷)/給湯能力(同時使用台数)。
  • 受動喫煙防止:喫煙室の要件は厳格。計画時に要確認。
  • バリアフリー:通路幅・段差・トイレ計画は物件や規模で要件が変動。

4. 設計で失敗しがちなポイントと回避策

  1. 排気ダクト経路の詰まり:上階・共用部の合意が取れず手戻りに。ルート図と騒音・臭気シミュレーションを初期に。
  2. グリストラップ容量不足:悪臭・詰まりの原因。メニューに応じて容量を算定、清掃ハッチの作業性を確保。
  3. 厨房床の勾配不足:水が溜まり衛生悪化。1/100〜1/80勾配+ノンスリップで計画。
  4. 空調と排気のバランス崩れ:ドアが開かない・冷えない。排気量に見合う給気(外気導入・メイクアップエア)を。
  5. 電気容量の読み違い:オーブン・IH増設で主幹不足。将来増設分まで盤容量と幹線を先出し。
  6. 清掃性の軽視:目地・凹凸の多い素材は油汚れが残る。カウンターはメラミンor不燃化粧板+シーリング最小化。
  7. 音・臭気の隣接クレーム:壁・天井に吸音層、排気は活性炭+消臭装置で対策。
  8. 動線の交差:配膳と洗い物が衝突。ワンウェイ動線とパス間口900mm目安。
  9. 照明の色温度ミス:料理が美味しそうに見えない。客席は2700〜3000K、厨房は5000K程度、高演色を採用。
  10. ビル規約の見落とし:夜間・騒音・臭気・外部サインの制限。契約前に「管理規約・工事ガイドライン」を必ず入手。

5. 費用相場と内訳の目安

物件状態目安坪単価主な内容
居抜き活用15〜35万円/坪表層替え・レイアウト微修正・照明更新・一部設備更新
スケルトン30〜70万円/坪間仕切・床上げ・電気/給排水/ガス・空調・ダクト・什器造作

配分の目安:設備系(給排水・ガス・ダクト・空調)40〜60%/仕上げ20〜30%/電気・照明10〜20%/サイン・什器5〜10%/設計監理10〜15%。
厨房機器は新品・中古・リースで総額が大きく変わります。中古は状態と保証、部品供給を必ず確認。


6. スケジュールの作り方

  • 物件選定・現調:2〜4週間
  • 基本計画・実施設計・見積調整:3〜6週間
  • 申請(保健所・消防等):1〜3週間(設計と並行)
  • 製作・手配:2〜4週間
  • 工事:2〜6週間(規模・共用部工事の有無で変動)
  • 検査・試運転・引渡し:1週間

逆算で着手:オープン希望日の少なくとも3ヶ月以上前に設計へ着手するのが安全です。

7. 見積もりの見抜き方

  • 「一式」は数量×単価まで分解してもらう。
  • 厨房・空調・照明は型番・能力・台数必須。
  • 諸経費(養生・搬入・夜間割増・共用部清掃)の根拠を確認。
  • 追加費の条件(想定外とは何か)を文書化。
  • 是正・保証の範囲と期間、アフター工事の単価ルール。

8. 引渡し後に効く運用・メンテ計画

  • 毎日:グリストラップスクリーン清掃/レンジフードとフィルター拭き取り。
  • 毎週:床排水トラップ洗浄/空調フィルター清掃。
  • 毎月:害虫防除/グリス槽の油脂回収。
  • 半年〜年次:空調保守/ダクト清掃/消防設備点検。
  • 契約書の原状回復条項と「匂い・油煙由来の汚損」範囲を保全写真で管理。

9. まとめ

  • 成功の鍵はコンセプト×法規×設備×工程×コストの整合性。
  • 居抜きは“見えない瑕疵”、スケルトンは“承認と共用部”がボトルネック。現調と事前協議が命。
  • ダクト・グリスト・給気の3点セットを最優先で設計。
  • 費用は設備系に厚く、仕上げは「触れるところの質感」に投資。
  • 見積は数量根拠と追加条件を明文化。工期はオープンから逆算3ヶ月以上がセーフティ。

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