「家をフルリフォームしたいけど、どれくらい費用がかかるの?」「住みながらの工事は可能?」「築年数が古くてもできる?」そんな疑問を持つ方は少なくありません。
リフォームプラスの本記事では、玄関のバリアフリー化について丁寧に解説。実際の事例や補助金制度も紹介し、安心してリフォームを進めるためのガイドをお届けします。
玄関は、家の中でも「転びやすいポイント」が集まりやすい場所です。上がり框(かまち)の段差、靴の脱ぎ履き、ドアの開閉、雨の日の濡れ、暗い時間帯の出入りなど、毎日の動作が意外と負担になります。
玄関のバリアフリー工事は、高齢のご家族の安全対策としてはもちろん、ベビーカーや荷物の出し入れ、将来の車いす利用まで見据えた「暮らしの底上げ」にもつながります。
この記事では、玄関まわりのバリアフリー工事でできること、工事内容の選び方、見落としがちなポイント、費用相場、補助制度の考え方をわかりやすくまとめます。
玄関をバリアフリー化するメリット
転倒・つまずきの不安を減らせる
玄関は段差があり、床が滑りやすくなることも多い場所です。段差解消や手すり設置、滑りにくい床材への変更で、出入りの不安を大きく減らせます。
介護・育児の負担が軽くなる
車いすの介助、歩行器の出入り、ベビーカーの押し引きなど、玄関が使いにくいと毎日ストレスが積み重なります。開口を広げたり引き戸にしたりすると、動作がシンプルになり負担が軽くなります。
外出しやすくなり自立を支えられる
安全に出入りできる玄関は、散歩や買い物、通院などの外出のハードルを下げます。外出の機会が増えると、心身の健康維持にもつながりやすくなります。
玄関のバリアフリー工事でよくある内容
1) 玄関ドアを「引き戸」にする
開き戸は「押す・引く」の動作が必要で、扉の前後にスペースも要ります。引き戸にすると、次のようなメリットがあります。
- 車いす・ベビーカーでも開け閉めしやすい
- 荷物を持っていても動作がラク
- 扉の開閉スペースが不要になり、玄関を広く使いやすい
注意点として、引き戸は構造上すき間ができやすく、断熱・気密の面で仕様を選ぶ必要があります。また、扉が引き込まれる横方向のスペースが不足する場合は、納まりを工夫したタイプの検討が必要です。
2) 有効開口を広げる(通りやすい幅を確保)
車いすや歩行介助を想定する場合、入口の「通り抜けやすさ」が重要です。ドア本体の交換だけでなく、枠の納まりや段差、手すり位置まで含めて考えると、使い勝手が大きく変わります。
壁を大きく壊さずに交換できる工法もありますが、枠を重ねる方式では足元に段差が生じやすいケースがあります。仕上がりの段差まで含めて事前に確認しましょう。
3) 玄関の段差を解消する(上がり框・玄関ポーチ)
玄関の段差は「1回の高さ」より「毎日繰り返すこと」が負担になります。段差解消の方法は主に次のとおりです。
- 上がり框に踏み台を設置する(小さく始めたい場合)
- 段差を低くする、段差を分割して1段あたりを小さくする
- スロープを設置する(車いす・ベビーカー対応)
スロープは勾配(角度)が急だと危険です。屋外は雨で滑りやすくなるため、滑り止めや手すりもセットで検討すると安心です。
4) 手すりを設置する(縦型・横型の使い分け)
玄関の手すりは、動作に合わせて選ぶのが基本です。
- 縦型手すり:立ち上がり、段差をまたぐ動作の補助に向く
- 横手すり:移動・体の安定に向く(玄関ホール〜廊下の動線に有効)
- L字型:立ち上がりと移動の両方を補助しやすい
「付けたのに使いにくい」を防ぐには、実際に靴を履く・上がる・回る動作を想定しながら位置を決めることが重要です。
5) 玄関床を滑りにくくする(たたき・ポーチ)
雨の日は床が濡れ、泥や砂で滑りやすくなります。屋外ポーチは特に注意が必要です。滑りにくい素材や仕上げを選び、必要に応じてマットやノンスリップ材を組み合わせましょう。
6) 照明を増やして「足元」と「鍵穴」を見えるようにする
暗い玄関はつまずきやすく、鍵の操作にも時間がかかります。足元灯、人感センサーライト、玄関ポーチ灯の追加は、費用対効果が高い対策です。
7) ドアを替えずに「電子錠」で開閉をラクにする
引き戸にできない場合でも、電子錠(スマホ・リモコン・カードキーなど)で、鍵を探す・差し込む動作を減らせます。利用者の操作性、停電時・電池切れ時の対応、防犯機能は必ず確認しましょう。
8) 駐車場・車道から玄関までの動線を整える
玄関単体だけでなく、車の乗り降り〜玄関までの動線が安全かどうかも重要です。段差、傾斜、手すりの有無、雨よけ(屋根)、夜間の明るさまで含めて点検すると、転倒リスクを下げやすくなります。
9) 玄関以外の出入口を活用する
玄関の間口拡張やスロープ設置が難しい場合、掃き出し窓側にウッドデッキやスロープを設けて「実用的な出入口」を作る方法もあります。暮らし方に合わせて選択肢を広げましょう。
費用相場|玄関のバリアフリー工事はいくらかかる?
費用は、現状(段差・間口・ドアの種類)と工事範囲で大きく変わります。目安として、次のように考えると全体像がつかみやすいです。
- 手すり設置:数万円〜(下地補強や延長範囲で変動)
- 踏み台設置・簡易段差対策:数千円〜数万円(製品・固定方法による)
- 上がり框・段差解消工事:数万円〜数十万円(構造・仕上げで変動)
- 玄関ポーチのスロープ設置:数十万円〜(勾配・長さ・手すり・仕上げで変動)
- 玄関ドア交換(開き戸→引き戸等):数十万円〜(工法・仕様で変動)
- 照明追加:数万円〜(配線距離・器具で変動)
- 電子錠の導入:数万円〜(機能・工事内容で変動)
優先順位を付けて「まずは危険な部分から」進めると、予算内で効果を出しやすくなります。
補助金・制度|介護保険の住宅改修で対象になりやすい工事
要支援・要介護認定を受けている場合、介護保険の住宅改修が使える可能性があります。対象になりやすい工事の代表例は次のとおりです。
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 滑り防止や移動を円滑にするための床材変更
- 引き戸などへの扉の取り替え
- 上記に伴って必要になる工事
ポイントは、工事前に申請が必要になることが多い点です。着工してからでは対象外になるケースがあるため、先にケアマネジャーや自治体の窓口へ相談しましょう。
また、自治体独自の助成制度や、国の減税制度が活用できる場合もあります。制度は地域や時期で内容が変わることがあるため、最新条件の確認が安心です。
見落としがちなチェックポイント
- 濡れた靴で上がる動線:滑りやすい場所がどこか
- 靴の脱ぎ履きスペース:椅子や手すりを置く余裕があるか
- 夜間の明るさ:足元が見えるか、影ができていないか
- 段差の“最後の数ミリ”:工法によって段差が増えることがある
- 玄関の寒さ:温度差がつらい場合は断熱性も検討
- 将来の介助:介助者が横に並べる幅・回転できるスペースがあるか
失敗しない進め方|玄関バリアフリーは「動作」から逆算する
- 困っている動作を具体化する:またぐ、立ち上がる、鍵を開ける、荷物を持つ など
- 優先順位を決める:転倒リスクが高い箇所から対策
- 現地調査で動線を確認:玄関内外、駐車場からの導線まで見る
- 制度活用の有無を先に確認:介護保険・自治体助成は申請時期が重要
- 複数社見積もりで比較:工事範囲、段差処理、手すりの下地、保証を確認
まとめ|玄関のバリアフリー工事は、今も将来もラクになる投資
玄関のバリアフリー工事は、段差解消・手すり・滑り対策・照明・ドアの開閉改善を組み合わせることで、出入りの安全性と快適性が大きく上がります。
大規模な工事だけが正解ではありません。踏み台や手すり、照明追加など「小さく始める」方法もあります。ご家族の状態や暮らし方に合わせて、まずは玄関の不安を一つずつ減らしていきましょう。
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