浴室の介護用リフト(バスリフト)リフォーム|安全に入浴するための工事内容と費用相場

「家をフルリフォームしたいけど、どれくらい費用がかかるの?」「住みながらの工事は可能?」「築年数が古くてもできる?」そんな疑問を持つ方は少なくありません。
リフォームプラスの本記事では、浴室の介護用リフォームについて丁寧に解説。実際の事例や補助金制度も紹介し、安心してリフォームを進めるためのガイドをお届けします。

家族の介護が必要になったとき、浴室は住まいの中でも特に不安が大きい場所です。床は濡れて滑りやすく、浴槽のまたぎ動作も負担が大きいため、転倒やヒヤリとする場面が増えやすいからです。

浴室を介護向けに整えることで、利用者のケガ予防だけでなく、介助する側の身体的負担も軽くできます。中でも注目されるのが、座ったまま浴槽へ昇降できる介護用リフト(バスリフト)の導入です。

この記事では、浴室介護リフォームの基本から、バスリフトを中心にした設備選び、費用相場、補助制度の考え方、失敗しない進め方までをまとめます。

浴室を介護用にリフォームするべき理由

1. 利用者の転倒・転落リスクを減らすため

浴室の転倒は大きなケガにつながりやすく、回復に時間がかかることもあります。床の滑り、出入口の段差、浴槽のまたぎ高さなど、危険要素が集中しているため、早めの対策が安心につながります。

2. 介助者の負担を軽くするため

浴槽の出入りを支えたり、濡れた床で体を支える介助は、腰や肩に負担がかかります。介護用の動線と設備を整えることで、毎日の介助がスムーズになり、疲労やケガのリスクも抑えられます。

浴室介護リフォームでよく行う9つの工事と設備

浴室の介護リフォームは、いきなり大掛かりにせず「危険が大きいポイントから順に」検討すると失敗しにくくなります。代表的な内容は次の9つです。

1) 出入口の段差をなくす

浴室の入り口のわずかな段差でも、つまずきの原因になります。段差解消は最優先の対策です。

2) 滑りにくい床材へ変更する

浴室床は水・石けんで滑りやすくなります。滑りに配慮した床材へ変更することで、転倒リスクを下げられます。

3) 手すりを設置する

立ち上がり・方向転換・またぎ動作の補助として有効です。設置位置は「実際の動作」に合わせて決めるのがポイントです。

4) 浴槽を交換する(低またぎ・浅めタイプなど)

またぎ高さが高い浴槽は危険です。体格や可動域に合わせて、またぎが低い浴槽へ替えると安全性が上がります。

5) 扉を引き戸へ変更する

開き戸は出入りの動作が大きく、緊急時に外から開けにくいこともあります。引き戸は動線がシンプルで、介助もしやすい傾向があります。

6) 浴室暖房乾燥機を設置する(ヒートショック対策)

冬場の急な温度差は体に負担がかかります。入浴前に浴室を温められる設備があると安心です。

7) 介護用リフト(バスリフト)を設置する

浴槽への出入りが難しくなったときの有力手段です。座面が上下し、座った姿勢で浴槽へ移動できるため、またぎ動作を減らせます。

8) シャワーキャリー(浴室用いす・車いす)を導入する

立位が不安な方でも座ったまま移動や洗身がしやすくなります。浴室の広さや床の段差状況によって選び方が変わります。

9) 通報装置を設置する

万が一のときに助けを呼べる仕組みは、利用者だけでなく家族の安心にもつながります。押しボタン式、ひも式など操作しやすいタイプを選びましょう。

浴室介護用リフト(バスリフト)とは?向いているケース

バスリフトは、浴槽の出入りを補助する椅子型の昇降装置です。電動で座面が上下し、浴槽内への移動をサポートします。

バスリフトが向いている人の目安

  • 浴槽のまたぎが不安で、転倒リスクがある
  • 膝や股関節に痛みがあり、またぎ動作が難しい
  • 介助者が抱え上げに近い介助をしており、負担が大きい
  • 浴槽入浴を続けたいが、安全に入れる仕組みがほしい

注意しておきたいポイント

  • 浴槽の形状や浴室寸法によって、設置できる機種が限られる
  • 座面の移動や姿勢保持が難しい場合は、別の方法(シャワー入浴中心など)が適することもある
  • 機器の使い方に慣れるまで、練習が必要なケースがある

費用相場|浴室介護リフォームはいくらかかる?

ここでは一般的な目安として、代表的な工事・設備の費用感を整理します。実際の費用は、浴室の構造(在来・ユニット)、配管状況、建物条件、地域の工事費で変動します。

  • 出入口の段差解消:約5万〜7万円
  • 床材を滑りにくい仕様へ:約10万〜20万円
  • 手すり設置:約3万〜5万円
  • 浴槽交換:約10万〜40万円
  • 扉(引き戸など)交換:約6万〜20万円
  • 浴室暖房乾燥機:約20万〜50万円
  • バスリフト設置:約20万〜30万円
  • 通報装置:約3万〜5万円

上記はあくまで目安です。特にバスリフトは、浴槽形状・設置方式・電源の取り回しなどで総額が変わるため、現地確認が重要です。

使える制度の考え方|介護保険と補助金をどう使い分ける?

浴室の介護リフォームは、制度の組み合わせで自己負担を抑えられる場合があります。代表的な考え方を整理します。

介護保険(住宅改修)の対象になりやすい工事

一般的に、次のようなバリアフリー工事は住宅改修の対象として検討されやすいです。

  • 手すりの取り付け
  • 段差の解消
  • 床材の変更(滑りにくい材料への変更など)
  • 扉の取り替え(引き戸化など)
  • 上記に伴って必要になる工事

要支援・要介護認定を受けていることなど条件があります。申請は「工事前」に行う必要があるケースが多いので、必ず事前にケアマネジャーや自治体窓口へ相談してください。

福祉用具(レンタル・購入)として検討されることがある設備

バスリフトのような機器は、工事というより「機器導入」に近いため、住宅改修と扱いが異なる場合があります。レンタルや購入の位置づけは状況で変わるため、ケアマネジャー+福祉用具事業者に相談すると判断が早いです。

自治体の助成制度

市区町村が独自に助成制度を設けている場合があります。名称はさまざまで、条件(年齢、要介護度、所得など)も自治体ごとに異なります。申請手順や期限もあるため、工事を決める前に確認しましょう。

見積もりで確認したい内訳|「バスリフト+浴室工事」はここをチェック

浴室介護リフォームの見積もりは、総額だけで判断すると後悔しやすいです。次の内訳が明確か確認してください。

  • 機器本体(バスリフト等)の価格:機種名、耐荷重、機能、保証
  • 設置・取付費:固定方法、浴槽との相性、試運転・説明
  • 電源工事:コンセント新設、配線の取り回し
  • 付帯工事:手すり追加、床の補修、段差調整など
  • アフター対応:点検、故障時対応、消耗品の扱い

同じ「バスリフト導入」でも、浴室のサイズや動線によって最適解が変わります。可能なら、介護動作(どこを持って、どう移動するか)まで含めて提案してくれる業者を選ぶと安心です。

失敗しない進め方|浴室介護リフォームは「順番」が大事

  1. いま困っている動作を洗い出す:またぎ、立ち上がり、出入口、洗い場移動など
  2. ケアマネジャーに相談:制度の適用可否や、必要な書類の確認
  3. 現地調査+複数見積もり:設備導入だけでなく動線提案まで比較
  4. 申請が必要なら工事前に手続き:自治体・介護保険は事前申請が基本
  5. 工事後は使い方の練習と微調整:手すり位置や動作確認を行う

まとめ|バスリフトは「浴槽入浴を続けたい」人の強い味方

浴室の介護リフォームは、転倒予防と介助負担の軽減に直結する重要な住環境整備です。段差解消・滑りにくい床・手すり・引き戸化といった基本対策に加えて、浴槽の出入りが難しくなった段階では、介護用リフト(バスリフト)の導入が有力な選択肢になります。

費用は工事内容によって幅があるため、制度の活用と見積もりの内訳確認がポイントです。安全で無理のない入浴環境を整えるために、まずは「どの動作が一番危険か」を整理し、専門家(ケアマネ・業者)と一緒に最適な方法を検討してみてください。

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