押入れをクローゼット化|奥行きを味方にする設計・費用・湿気対策のすべて

「家をフルリフォームしたいけど、どれくらい費用がかかるの?」「住みながらの工事は可能?」「築年数が古くてもできる?」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。
リフォームプラスの本記事では、押入れのクローゼット化について丁寧に解説。実際の事例や補助金制度も紹介し、安心してリフォームを進めるためのガイドをお届けします。

「服が増えて出し入れしにくい」「奥がデッドスペース化している」。そんな押入れは、寸法計画と通気・金物選定を最適化すれば、使い勝手の良いクローゼットに生まれ変わります。本稿では、実測のコツ・代表工法・費用相場・湿気/カビ対策・扉選び・DIYの境界までを一気に解説します。

押入れクローゼット化のメリットと留意点

  • メリット:衣類が一目で把握できる/長物(コート・ワンピース)も吊れる/部屋側の収納家具が減り空間が広く見える/掃除・衣替えが短時間化
  • 留意点:布団収納スペースを別途確保/工期1〜3日目安/既存の襖サイズや枠の精度で納まりが変動/湿気・通気設計が必須

まずは採寸|計画に必要な“5つの数字”

  • 内法幅:扉有効開口とハンガー幅を逆算(ハンガー肩幅は約40〜45cm)
  • 内法奥行:押入れは70〜90cmが一般的、クローゼットは55〜65cmが目安
  • 内法高さ:長物ゾーンはハンガーパイプ下から床まで120〜140cm、二段掛けは上段約160cm・下段約90cm
  • 袖壁・下がり壁:扉交換や枠流用の可否に直結
  • 配線・配管・下地:手すり・パイプ・棚受のビス止め位置を事前確認

奥行きを無駄にしないレイアウト定番3パターン

1)前後二列ハンガー型(奥=オフシーズン、手前=現役)

奥行75cm以上で有効。奥列はパイプ高さを少し高めに、手前列はスライドパイプ等で干渉を回避。

2)片側ハンガー+反対側可動棚

ハンガー側は奥行55〜60cm確保、反対側は25mmピッチの可動棚でバッグ・帽子・ケースを縦積み。

3)二段ハンガー+引き出しモジュール

シャツ・ジャケットは二段掛けで容量増。下部はフルスライドの引き出しで小物・下着を集約。

代表的な工法と費用相場

  • 中段撤去+枕棚・パイプ新設+内装更新:5万〜20万円(棚撤去・下地補修・クロス張替えを含むと上振れ)
  • システム収納(可動棚・パイプ・バスケット):10万〜30万円(間口や構成で変動)
  • 扉更新(襖→折れ戸/引戸):5万〜25万円(上吊り引戸は段差少なく開閉軽快)
  • ウォークイン化(間仕切り変更):20万〜80万円以上(床・天井・電気・内装を含む)
  • 付帯:照明/コンセント1万〜3万円、床補修2万〜8万円、防湿・防カビ1万〜5万円

集合住宅は管理規約と工事時間制限、戸建ては耐力要素や開口補強の有無で金額・工期が動きます。

湿気・カビ対策は“最優先の設計条件”

  • 通気を作る:ルーバー扉や上部ガラリ、上吊り引戸+床レールなしで風の通り道を確保
  • 下地で防ぐ:防カビ塗装や調湿建材、床は防湿シート+すのこや通気見切り
  • 運用で守る:人感/常夜の足元灯で開閉時に熱源・気流を作る、シーズン切替時は48時間の“空庫換気”をルール化

扉の選び方|引戸か折れ戸か

  • 引戸:通路に出っ張らず家具干渉ゼロ。開口は半分になるため中央の荷物は配慮。上吊り+ソフトクローズ推奨。
  • 折れ戸:開口が大きく一望できる。前面に開閉スペースが必要。地震時の自動開放防止金具を選択。
  • 通気:湿気が多い家はルーバー扉、花粉期は目の細かいタイプで衣類への付着を抑制。

金物・棚の“失敗しない寸法”

  • ハンガーパイプ高さ:長物用1700±50mm、二段掛け=上1600/下900mm目安
  • パイプスパン:1200mm超は中間支持を追加(撓み防止)
  • 枕棚奥行:350〜400mm、パイプ中心は枕棚先端から60mm程度後ろ
  • 可動棚のピッチ:25mm刻みだと衣装ケースと相性良好

DIYでできること/プロに任せたいこと

DIY向き:パイプ・棚柱の後付け、簡易ルーバー、電池式センサーライト、除湿・防カビ処理。
プロ推奨:中段・中仕切り撤去時の下地補修、扉交換・枠調整、電気配線、石膏ボード裏下地の新設、構造要素の判定。配線・配管・筋交いの干渉リスクがあるため、解体前の点検は必須です。

ケース別レイアウト例

  • 幅90cm:一段ハンガー+片側可動棚。下部は浅型引き出しで通路干渉を回避。
  • 幅135cm:二段ハンガー+中央引き出し。シーズン外は上段へ退避。
  • 幅180cm:前後二列+右側可動棚。奥列はオフシーズン、手前は日常着。

スケジュールの目安

  1. 現地調査:採寸・下地・配線確認、湿気診断
  2. プラン作成:レイアウト図・納まり断面・扉仕様
  3. 施工:解体→下地補修→内装→金物・扉→照明(1〜3日)
  4. 最終確認:開閉・水平・撓み・通気・照度をチェック

よくある失敗とチェックリスト

  • 扉がベッド/通路に干渉する→開閉クリアランスを図面で確認
  • ハンガーが扉に当たり閉まらない→内法奥行とパイプ位置を再計算
  • パイプが撓む→スパン1.2m超は中間支持
  • ケースが引き出せない→扉の見込み寸法と取っ手出幅を事前に検証
  • カビ発生→通気経路+防湿層+運用ルール(定期換気/除湿)をセットで

費用を抑えるコツ

  • 枠を活かし扉のみ更新(上吊り化で段差レス)
  • 既製のシステム収納をモジュールで組み合わせる
  • 内装材は汚れに強い量産クロス+部分アクセントで質感UP
  • 電池式照明→後日有線化の段階施工

まとめ|“通気・寸法・連動照明”で長く快適に

押入れのクローゼット化を成功させる鍵は、通気の仕組みづくり・用途に合った寸法計画・扉と照明の連携です。奥行きの深さは前後二列や可動棚で強みに変えられます。家族構成や持ち物量を可視化し、無理のない範囲で段階施工を選べば、費用対効果の高いリフォームが実現します。

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