「家をフルリフォームしたいけど、どれくらい費用がかかるの?」「住みながらの工事は可能?」「築年数が古くてもできる?」そんな疑問を持つ方は少なくありません。
リフォームプラスの本記事では、室内壁の塗装DIYについて丁寧に解説。実際の事例や補助金制度も紹介し、安心してリフォームを進めるためのガイドをお届けします。
「壁紙の色に飽きた」「部屋を明るくしたい」「子ども部屋を自分好みにしたい」──そんなときに人気なのが、室内壁のDIY塗装です。
業者に頼むより費用を抑えやすく、色や質感も自由に選べる一方で、準備不足のまま塗ると“ムラ”“剥がれ”“汚れ”などの失敗が起きやすいのも事実です。
この記事では、初心者でも室内壁の塗装DIYをきれいに仕上げるために、必要な道具、作業の流れ、塗料選び、注意点をまとめて解説します。
室内壁のDIY塗装は「塗る前」が9割
室内壁の塗装は、塗っている時間よりも掃除・補修・養生に時間がかかります。ここを丁寧にできるかどうかで仕上がりが決まります。
特に重要なのは次の3つです。
- 汚れを落とす:油分や手垢が残ると密着不良の原因に
- 下地を整える:凹凸や穴は塗装後に強調されやすい
- 養生を徹底:床・巾木・枠・コンセント周りの保護が必須
室内壁塗装DIYに必要な道具リスト
まずは準備から。基本セットは以下です。
掃除・下地処理
- 雑巾・タオル
- 中性洗剤(油汚れや手垢が気になる場合)
- パテ(穴・ひび割れ・凹み補修)
- パテベラ
- サンドペーパー(#240〜#400目安)
- コーキング材(隅やすき間の処理が必要な場合)
養生
- マスキングテープ
- マスカー(ビニール付き養生テープ)
- 床養生シート(なければ厚手のビニールや段ボールでも可)
塗装
- 下塗り材(シーラー・プライマー)
- 室内用塗料(基本は水性がおすすめ)
- 平刷毛(細部用)
- ローラー(中毛が万能)
- ローラーハンドル(延長ポールがあると楽)
- バケット(下げ缶)とローラーネット
室内壁をDIYで塗装する手順
基本の流れは「片付け→掃除→補修→養生→下塗り→本塗り→養生はがし」です。
1)作業スペースを確保する
家具は壁から少なくとも60cmほど離し、できれば部屋の中央に寄せます。移動が難しい家具は、ビニールやシートで覆っておきましょう。
2)壁の拭き掃除をする
固く絞った雑巾で水拭きをし、汚れが強い場合は中性洗剤を薄めて拭き取ります。洗剤を使った場合は必ず水拭きで洗剤分を落とし、しっかり乾かします。
ヤニ汚れが気になる場合は、後工程でヤニ止めシーラーを検討すると安心です。
3)傷・穴・凹みを補修する
パテで凹凸をならし、乾燥後にサンドペーパーで平らに整えます。塗装は薄膜なので、少しの凹凸でも仕上がりに出やすい点に注意しましょう。
壁紙(クロス)の上から塗る場合は、浮きや剥がれを先に接着しておくと、塗装後の剥がれリスクを減らせます。
4)養生をする(ここが仕上がりを左右)
巾木、窓枠、ドア枠、コンセント・スイッチ周り、床など、塗料が付いて困る場所は必ず養生します。
新聞紙での代用も可能ですが、ズレやすく塗料が染みやすいので、作業性と安全性を考えるとマスカーが便利です。
5)試し塗りをする
壁の隅など目立たない場所で、色味・乾燥後の見え方・密着性を確認します。室内は照明の種類で色の見え方が変わるため、夜と昼の印象差も見ておくと失敗しにくいです。
6)下塗り(シーラー)を塗る
下塗りは、塗料の密着を高め、ムラを減らす役割があります。壁紙の上、吸い込みがある下地、ヤニ汚れがある壁では特に効果的です。
7)本塗り(1回目→乾燥→2回目)
まず刷毛で角や枠回りを塗り、次にローラーで広い面を塗ります。
- ローラーは縦→横→仕上げに下から上で整えるとムラが出にくい
- 乾燥時間は塗料表示を守る(早すぎる重ね塗りは失敗の原因)
- きれいに仕上げたいなら2回塗りが基本
8)養生を外す(乾ききる前がコツ)
塗膜が完全に硬化してから養生を剥がすと、塗料が一緒にめくれることがあります。半乾きのタイミングでゆっくり剥がすのが基本です。
もし乾いてしまった場合は、境目にカッターで軽く切れ目を入れてから剥がすと剥離しにくくなります。
室内壁のDIY塗装で失敗しやすいポイントと対策
塗る前の作業が甘くてムラになる
対策:掃除・下地処理・下塗りを丁寧に。特に手垢や油分は密着不良の原因になります。
クロスの上から塗って剥がれる
対策:浮き・剥がれを補修し、下塗り材を使う。クロスの種類によっては塗料を弾く場合があるため試し塗りは必須です。
臭いで体調が悪くなる
対策:室内は必ず換気。基本は水性塗料を選び、作業中は窓を開け、可能なら換気扇も併用します。
汚れや傷が目立ちやすい
対策:人が触れやすい場所は、防汚性・耐久性のある室内用塗料を選ぶ。マット仕上げは味が出る反面、汚れが残りやすいこともあります。
室内壁DIYにおすすめの塗料の選び方
初心者には、扱いやすく臭いが比較的少ない水性の室内用塗料がおすすめです。選ぶときは次の視点で比較しましょう。
- 用途:室内壁対応か(屋外用は適さない場合あり)
- 下地適性:石膏ボード、ビニールクロス、漆喰など対応範囲
- 機能:防カビ、防汚、消臭、低VOCなど
- 仕上がり:ツヤあり/半ツヤ/ツヤ消し(マット)
- 1回塗り可否:表示があっても、透けやムラが出るなら2回塗り推奨
DIYと業者依頼、どちらが向いている?
DIYは費用を抑えやすい反面、時間と手間がかかります。次のように判断すると選びやすいです。
- DIY向き:1面だけ塗る、汚れの少ない部屋、作業時間が取れる
- 業者向き:広範囲、下地が傷んでいる、短期間で仕上げたい、賃貸で原状回復が気になる
まとめ|室内壁DIY塗装は「準備と下塗り」で仕上がりが決まる
室内壁の塗装DIYは、部屋の印象を大きく変えられる魅力的なリフォーム方法です。
成功のポイントは、塗る作業よりも掃除・補修・養生・下塗りを丁寧に行うこと。試し塗りで相性を確認し、乾燥時間を守って2回塗りを意識すれば、初心者でも満足度の高い仕上がりを目指せます。
まずは小さな面から挑戦し、自分のペースで“理想の壁”を作ってみてください。
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