「家をフルリフォームしたいけど、どれくらい費用がかかるの?」「住みながらの工事は可能?」「築年数が古くてもできる?」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。
リフォームプラスの本記事では、天井リフォームについて丁寧に解説。実際の事例や補助金制度も紹介し、安心してリフォームを進めるためのガイドをお届けします。
天井は「視界の面積が大きい=効果が出やすい」リフォーム部位。素材・形状・照明の3要素を押さえるだけで、同じ間取りでも印象と快適性が大きく変わります。本記事では、天井デザインの実践アイデア15選、費用相場と工期、マンション/戸建の注意点、DIY可否を、リフォームの現場目線で整理します。
まず押さえる3原則(すべての天井デザインに共通)
- 素材:クロス/塗装/木(板張り)/躯体現し。質感で「温度」と「格」を決める。
- 形状:フラット/折り上げ/下がり/勾配/吹き抜け。立体で「奥行き」と「ゾーニング」を作る。
- 光:直付け照明+間接照明(コーブ・コーニス・ライン)。光源を「見せない」ほど上質。
天井リフォームのアイデア15選(用途別に厳選)
1. 折り上げ天井(リビングの王道)
中央を一段高くし、周囲にコーブ照明を仕込む定番。
効果:天井面を高く見せ、ホテルライクに。
目安費用:8〜25万円/6畳(下地・照明含む、仕上げによる)。
2. 下がり天井でダイニングを“囲う”
食卓上だけ天井を下げ、ペンダントやライン照明を集約。
効果:食事ゾーンを視覚的に独立、落ち着きと会話の集中度UP。
目安費用:6〜18万円/6畳一部。
3. 板張り(ウッドシーリング)
ナチュラルや北欧・和モダンに。
無垢・化粧板・シートの順で質感とコストが変動。
目安費用:1.2〜2.8万円/㎡(材+施工)。
4. クロス貼り分け(色×質感でゾーン分け)
リビングとダイニングで色やテクスチャを変える。
目安費用:1,000〜1,800円/㎡(量産〜機能性)。
5. スケルトン天井(躯体現し)
二重天井を撤去し、コンクリートを見せるインダストリアル。
効果:天井高UP・開放感。ただし断熱・遮音の補助設計が必要。
目安費用:15〜40万円/室(撤去・塗装・露出配管整理)。
6. ライン照明(連続する光で“面”を作る)
天井に溝を切り、LEDラインを通して面発光に近づける。
目安費用:3〜10万円/本(器具・電気工事込、長さで変動)。
7. コーブ&コーニスの二段使い
上向き(コーブ)と壁洗い(コーニス)を併用し、陰影を設計。
効果:壁のマテリアルを美しく見せ、眩しさを抑制。
8. 梁見せ・化粧梁
既存梁を露出・塗装、または軽量の化粧梁を追加してリズムを作る。
目安費用:既存梁活用3〜10万円/本、化粧梁5〜12万円/本。
9. 勾配天井(戸建・ロフト併用に)
小屋裏を活かして斜めの天井に。シーリングファンと相性良。
目安費用:設計前提で変動(改修は20万円〜/室)。
10. 折り下げ+間接で“ホームシアター天井”
映像面の反射を抑えるダーク塗装+間接照明で視認性UP。
防音・吸音パネルを天井縁に。
11. 和紙・ラタン・織物クロスで和モダン
照明の拡散が柔らかく、寝室に最適。
メンテはビニールより繊細。
12. メダリオン+モールディング(クラシック)
中心に装飾パネル、周囲にモールで陰影。
ペンダントやシャンデリアと好相性。
13. トップライト/天窓(戸建)
採光を天井から。夏季の日射・遮光計画は必須。
目安費用:20〜45万円/箇所(開口・サッシ・内装復旧)。
14. 吸音天井(在宅ワーク向け)
多孔質ボードや吸音パネルを天井全面または縁に配置。
効果:残響低減で声がクリアに。
目安費用:6,000〜15,000円/㎡。
15. カラードシーリング(天井アクセント塗装)
壁は白のまま、天井をトーンダウン。
狭小空間は淡グレーで圧迫感を抑えつつ上質に。
目安費用:3.5〜8.0万円/6〜8畳。
費用相場と工期の目安(6〜12畳・共通目安)
| 施工内容 | 6畳 | 10畳 | 12畳 | 工期 |
|---|---|---|---|---|
| 天井クロス張替え | 3.9〜6.0万円 | 4.8〜7.5万円 | 5.2〜8.0万円 | 1〜2日 |
| 天井塗装(下地良好) | 3.5〜6.5万円 | 4.5〜7.5万円 | 5.0〜8.0万円 | 0.5〜4日 |
| 板張り(化粧板) | 8〜16万円 | 12〜26万円 | 14〜30万円 | 1〜3日 |
| 折り上げ/下がり+間接照明 | 10〜28万円 | 15〜38万円 | 18〜45万円 | 2〜5日 |
| スケルトン(躯体現し) | 15〜40万円 | 20〜55万円 | 25〜65万円 | 2〜7日 |
※仕上げグレード、既存下地、電気工事の有無、地域相場で上下します。
マンション/戸建の注意点(中立ガイド)
- マンション:管理規約・使用細則を確認。二重天井か直天井かで可否が変わります。遮音・火災報知設備・換気経路、工事時間帯・搬入経路の申請も必須。
- 戸建:小屋裏活用や勾配化・断熱強化が柔軟。屋根断熱・結露リスク、トップライトの遮熱・遮光計画を同時検討。
- 電気工事:ダウンライトやライン照明の新設は有資格者施工が前提。露出配線は耐熱・防火・景観の3点セットで計画。
- 断熱・防音:スケルトンや折り上げで天井高を上げるほど、断熱・吸音の補完策が効きます(断熱材増設、吸音パネル、気密テープ)。
DIYできる/できないの線引き
- DIY向き:クロス貼替え(脚立・二人作業推奨)、水性塗装、軽量モール・メダリオンの装飾。
- プロ推奨:折り上げ・下がり天井の造作、板張りの広面積、スケルトン化、照明回路新設や器具埋め込み。
- 安全:高所作業は二人以上。ブレーカーを落とす、粉じん養生、脚立の角度管理。
失敗しないための設計ポイント
- 光を先に決める:器具選定→配光→スイッチ回路→天井形状の順で。後から穴は増やさない。
- 色は“天井が一番暗い”が基本:壁<天井を暗くすると落ち着く。狭小は淡グレーで。
- 家具・窓との整合:ライン照明や木目方向を動線・窓方向に合わせると伸びやか。
- 点検性:ダクト・点検口の確保。将来のランプ交換や清掃動線を前提に。
簡単スケジュール例(6〜10畳)
- 現地調査(配線・下地・天井種別を確認)
- プラン・見積(図面と器具リスト、養生・搬入計画まで)
- 着工(養生→解体→下地→電気→仕上げ→清掃)
- 引渡し(試運転・保証書・メンテ方法の説明)
見積チェックリスト(抜け防止)
- 天井形状(折り上げ/下がり/フラット)と寸法、納まり断面
- 仕上げ材の品番・反射率・メンテ特性
- 照明(器具品番・回路数・調光方式・スイッチ位置)
- 電気工事(新規回路・穴あけ・天井裏配線経路)
- 断熱・吸音・防火の取り合い
- 養生・残材処分・搬入費・近隣対応
- 保証範囲(仕上げの割れ・照明のちらつき・造作の反り等)
まとめ:素材×形状×光で“天井から空間を整える”
天井は、面積の割に投資対効果が高いリフォームです。まずは「どのシーンを心地よくしたいか」を決め、素材・形状・光を三位一体で設計すれば、同じ広さでも驚くほど居心地が変わります。マンションは規約と天井種別、戸建は断熱・防水・構造をチェックし、安全と将来の点検性まで織り込んで計画しましょう。
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