「家をフルリフォームしたいけど、どれくらい費用がかかるの?」「住みながらの工事は可能?」「築年数が古くてもできる?」そんな疑問を持つ方は少なくありません。
リフォームプラスの本記事では、内装リフォームの費用について丁寧に解説。実際の事例や補助金制度も紹介し、安心してリフォームを進めるためのガイドをお届けします。
内装リフォームを検討して見積もりを取ったとき、「合計金額は分かるけれど、内訳がよく分からない」と感じる方は多いはずです。
同じ“壁紙張替え”でも、下地補修の有無、既存材の撤去方法、養生の範囲、使う材料のグレードで費用は大きく変わります。さらに、工事が始まってから追加費用が発生するケースも珍しくありません。
この記事では、内装リフォームの費用内訳を項目別に整理し、見積書で確認すべきポイント、追加費用が出やすい原因、費用を抑える進め方まで、分かりやすく解説します。
内装リフォーム費用は「何にお金がかかるか」を分解すると理解できる
内装リフォームの費用は、大きく分けると次の要素で構成されます。
- 材料費:壁紙・床材・建具・下地材など
- 施工費(手間賃):職人の工賃、施工に必要な作業一式
- 撤去・処分費:既存材の解体、廃材処分、運搬
- 下地補修費:凸凹・浮き・腐食などの補修
- 設備工事費:電気・給排水・換気など(内容による)
- 養生・搬入費:家具保護、共用部保護、搬入出
- 諸経費:現場管理費、交通費、事務費、利益など
見積書で「一式」となっている部分ほど、どの作業が含まれているか確認が必要です。
【項目別】内装リフォームの費用内訳と相場の考え方
1)材料費(壁紙・床・建具・塗料など)
材料費は、選ぶグレードで差が出やすい部分です。特に壁紙(クロス)や床材は、品番によって単価が大きく変わります。
- 量産クロス/一般クロス/機能性クロス(消臭・防カビ・汚れ防止など)
- 複合フローリング/無垢フローリング/フロアタイル/クッションフロア
- 巾木(はばき)や見切り材などの副資材
注意:材料費が安く見えても、施工費や下地補修が増えると合計が上がることがあります。
2)施工費(職人の工賃・施工一式)
施工費は「貼る・張る・塗る」だけでなく、採寸、下準備、清掃まで含めた手間賃です。内装工事は“仕上がり”が品質に直結するため、極端に安い場合は施工範囲や品質基準を確認しましょう。
- クロス施工(剥がし・糊付け・貼り・ジョイント処理)
- 床施工(既存床の状態確認・施工・見切り処理)
- 建具交換(枠の調整、金物取付、建付け調整)
3)撤去・解体費(既存材の撤去、廃材処分)
内装リフォームでは、既存材をどう扱うかで費用が変わります。
- 張替え:既存床を撤去して新しく張る(解体・処分費が出やすい)
- 上張り(重ね張り):既存床の上に新しい床を張る(撤去が少なく費用を抑えやすい)
廃材処分費は、材料の種類や量、搬出条件(階段のみ、駐車距離が遠い等)で増減します。
4)下地補修費(追加費用の原因になりやすい)
見積もり段階で読み切れないのが下地です。壁紙を剥がしたらボードが傷んでいた、床をめくったら根太が弱っていた、というケースは珍しくありません。
- 壁:ビス穴・クラック・浮き・カビ・結露跡の補修
- 床:沈み・きしみ・不陸(段差)調整、合板増し張り
ポイント:見積書に「下地補修は別途」「下地調整一式」などの記載がある場合、上限目安や単価ルールを事前に確認すると安心です。
5)設備工事費(電気・給排水・換気)
内装だけのつもりでも、間取り変更や収納造作、キッチン・洗面の更新を含むと設備工事が発生します。
- コンセント・スイッチ移設、ダウンライト増設
- 給排水の移設、止水栓交換、排気ダクト工事
- 換気扇やレンジフード交換
設備工事は“ついで”で入れると費用対効果が高い一方、追加になると工期と費用が膨らみやすいので、最初に要望を整理するのが重要です。
6)養生費(家を守るための必要コスト)
養生は、床や壁、共用部(マンションの廊下・エレベーター)を傷付けないための保護作業です。費用を削りたくなる項目ですが、トラブル防止の意味で重要です。
- 床・壁・建具・家具の養生
- 搬入出経路の養生(共用部含む)
7)諸経費(現場管理費・交通費・廃材運搬など)
諸経費は、現場を回すために必要なコストです。内容が不透明なときは内訳を聞いて問題ありません。
- 現場管理費(工程管理、職人手配、品質管理)
- 交通費・駐車費
- 事務費、保険、保証対応
相場感としては工事規模にもよりますが、一定割合で計上されることが多いです。ゼロの場合は、どこかに含まれているか、管理体制が薄い可能性もあるため注意しましょう。
よくある内装リフォームの「見積書」例と見方
見積書で特にチェックしたいポイントは次の通りです。
- 数量と単位:㎡、m、枚、式など。数量根拠があるか
- 単価の根拠:材料グレード、施工範囲、搬入条件が反映されているか
- 一式の中身:何が含まれ、何が別途なのか
- 下地補修の扱い:想定範囲、追加時の単価ルール
- 保証・アフター:対象範囲と期間
追加費用が発生しやすいパターン5つ
- 下地が想定以上に傷んでいた(床の沈み、壁の剥がれ、カビ)
- 配線・配管の移設が必要になった(間取り変更、設備位置変更)
- 既存材の撤去が増えた(上張り予定→張替えが必要になった)
- 工事中の仕様変更(クロスをグレードアップ、照明追加など)
- 搬入出条件が厳しい(階段のみ、駐車距離が長い、養生範囲が拡大)
対策は「現地調査を丁寧にしてもらうこと」と「追加時のルールを契約前に決めること」です。
内装リフォーム費用を抑えるコツ
- 優先順位を決める:全部を一度にやらず、満足度が高い箇所から
- 上張りを検討する:床は状態次第でコスト削減につながる
- 材料のメリハリ:見える場所はこだわり、他は標準にする
- 設備工事はまとめる:電気・換気などは同時工事が割安になりやすい
- 相見積もりは「内容の同条件」で比較:材料グレードや工事範囲を揃える
内装リフォームをスムーズに進める手順
- 要望を整理(どこを、どうしたいか)
- 予算の上限と優先順位を決める
- 現地調査を依頼し、見積もりを取る
- 見積書の内訳を確認(下地・一式・諸経費)
- 契約(追加費用のルールも明文化)
- 工事・検査・引き渡し(保証内容を確認)
まとめ|費用内訳が分かれば、見積もりの不安は減らせる
内装リフォームの費用は、「材料費だけ」ではなく、施工費・撤去処分・下地補修・養生・諸経費などの積み上げで決まります。
見積書を見たときは、合計金額だけで判断せず、何が含まれていて、何が別途になり得るのかを確認することが大切です。特に下地補修と“一式”項目は、追加費用を防ぐための重要チェックポイントになります。
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